2015年02月16日

二十一回猛士

昨日、大河ドラマ『花燃ゆ』を見ていたら、「二十一回猛士」という言葉が出てきました。

ドラマの中で「『吉田』にも『杉』にも『二十一』がある」みたいな松陰(寅次郎)のセリフがありましたが、あまりに早すぎて、視聴者にはわかりづらかったのではないでしょうか? 

 そこで僭越ながら、私のほうで簡単に解説させていただきたいと思います。

 まずは松陰(寅次郎)の姓である「吉田」ですが、

「吉田」の「吉」の字の上半分」の部分を分解すると……
漢数字の「」「と「」になるのはおわかりいただけますか?

この漢数字の「十」と「一」をとりあえず覚えておいてください。
(残りました下半分の小さな「」の部分はとりあえず置いておきます)

 次に「吉田」の「」ですが、これも中に漢数字の「」があります。

 「吉」から出てきた「」と「
 「田」から出てきた「
足すと「(10)」足す「(1)」足す「(10)」で「二十一(21)」になりますね。

そして「吉田」の文字から漢数字の二十一の部分を除くと、
「吉」の下半分に当たる小さい「」と
「田」のまわりに当たる大きな「」が残ります。

この二つの「」を組み合わせると、「」の字が出来ますね。

最後に、漢数字の「二十一」と「」の2つを足すと「二十一」の出来上がりです。

(なんか、なつかしの「IQサプリ」の「合体漢字」みたいになってきました。)


 さて、もう一つ実家の「杉」のほうですが……

 「杉」の左半分の「」を分解すると「」と「」になるのが、わかりますか?

 残った右半分は漢数字の「」に見えますよね。

 「(10)」足す「(8)」足す「(3)」で、やはり「二十一(21)」になるわけです。

 結構、すごい発見ですよね。 
 大河ドラマではCGで説明していたようですが、ちょっと早すぎてわからなかったのではないでしょうか?
 念のため、画像にしておきます。
二十一回猛士の説明図.jpg
<「二十一回猛士」説明図>

 あまりにうまく出来すぎている気がして、あたかも後世の誰かが考えたかのようですが、そうではありません。松陰の書いた書物に、次の文章が出てきます。

「(前略)罪ありて獄に下る。夢に神人あり。与ふるに一刺を以てす。
 文に曰く、二十一回猛士と、忽ち覚む。
 因て思ふに杉の字二十一の象あり
 吉田の字も亦二十一回の象あり
 吾が名は寅、寅は虎に属す。虎の徳はなり。(後略)」

(『吉田松陰 留魂録』古川薫全訳注 講談社学術文庫 より抜粋。
 改行、太字、色付は、私が行いました。)


 この「二十一回猛士」という言葉は、松陰も気に入っていたようで、死の直前に書かれた『留魂録』の冒頭にも、和歌とともに「二十一回猛士」の署名が入っています。
留魂録冒頭.jpg
(国立国会図書館ウェブサイトより)



 さて、大河ドラマ『花燃ゆ』には、次週から高杉晋作久坂玄瑞も登場するようで、楽しみになってきましたね。今後もなにか機会があったら、解説などしていきたいと思います。
 

なお、上記抜粋文章の参考文献は下記です。

 吉田松陰の遺書(遺作)である『留魂録』原文と読みやすい解説があり、さらに「評伝」もついておりますので、吉田松陰について知りたい、しかも本人の書に直接触れたい、という人にはおススメの本です。
 楽天などにはまだありましたが、書店等では手が入りづらくなっているようです。
 
 同じ講談社学術文庫で、↓が刊行されちゃったからかもしれません。

 こちらのほうが、著作はたくさん出ていて、好きな人にはたまらないのですが、量も多く金額も高めで、解説や松陰の伝記部分は、あまり多いほうではありませんので、一般の人には少々なじみづらいかもしれません。(現代語訳もついてはいるのですが……)

posted by 福田智弘 at 14:19| Comment(0) | 歴史コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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