2015年01月01日

謹賀新年2015


あけましておめでとうございます。 

本年は日本海側などで大雪となり、
 東京都心でも9年ぶりに雪が降ったのだとか…… 
みなさんは、無事、新年をお迎えになられましたでしょうか?

さて、新年を迎えると、毎年のように思い出す歌があります。

(あらた)しき 年の初めの 初春の
 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)


4500首を超える『万葉集』
最後を飾る大伴家持(おおとものやかもち)の歌です。

新しい年の初め、初春を迎えた今日の日に、雪が降っている。
 降り続く雪が、どんどん積もっていくように、
 佳(よ)き事が積もり積もってくれることを心より願っています

といった意味になります。

この時代、雪は「吉兆」でもあります。
ましてや元日の大雪ですから、おめでたいこと限りありません。

とはいえ、この歌、どこか寂しげな感じもありますよね。

いやしけ吉事(積もり積もれ、佳き事よ)」と歌われていることからも、今が幸せではないのかな? とか、つい勘繰ってしまいます。



この歌が詠まれたのは、天平宝字三年(759年)ですから、
 今から1250年以上前のことですね。
当時、大伴家持は因幡守(いなばのかみ)でした。
今の島根県に国司(こくし)として派遣されていたわけですね。

「大伴家持」というと、万葉集の編纂にもかかわった
 「歌人」というイメージが強いのですが、
当時の彼は、歌人である以前に、
 大伴氏という貴族の中心人物であり、
 政治家であったわけです。
大伴氏は、古来より続く貴族(豪族)であり、
 常に朝廷の中心にあった名家だったのです。

しかし、この頃、朝廷では藤原氏が台頭し、
 他の貴族を圧倒していきます。

当時、権力を握っていたのは、藤原仲麻呂(恵美押勝)。
 これに反対する人々が反乱を計画するも、
  事前に発覚し、鎮圧されるなど、
反藤原派は勢いを失いつつあった時代です。

大伴家持が因幡守となったのは、この頃。
 つまり、彼も反藤原派の人間とみなされ、
遠く因幡国に左遷されてしまったのだ、といわれているのです。

そんな彼が、因幡守となった翌年の正月に
降る雪を見て「佳き事よ、積もり積もってくれ
 と願いを込めたこの歌。

背景を知ると、よりしみじみとした感慨
 伝わってくるようではありませんか?



新年早々から、アクセスしてくださったみなさん、
 ありがとうございました。

皆様の元にも、今年一年、吉事が降り積もっていくことを
 心よりお祈り申し上げます。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。




posted by 福田智弘 at 21:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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