2017年02月06日

抜群にオモシロい! レトロな教科書


明治・大正、あるいは昭和初期教科書を見たことはありますか? 

素朴な絵柄が載っていて、心がなごんだり……
ちょっと、教訓めいた話に、「おっ!」と心が動かされたり……
面白い表現に、思わず「おいおい」とツッコミ入れたくなったり、
いろいろあって、実に興味深いものなのです。

たとえば、昨日見ていたのが、昭和5年刊行の『小学国語読本』
ここに出てくる「カマキリジイサン」は、絵も文章も牧歌的で、なかなか素敵です。
昭和8小學國語讀本 尋常科用. 卷2-10.jpg
(『小学国語読本』国立国会図書館蔵)

カマキリヂイサン、
 イネカリ ニ
 カマ ヲ カツイデ、
 アゼミチ ヲ、
 トホイ タンボ へ 
 イソギマス。
 スッキリ ハレタ
 秋 ノ 日 ニ、
 トホイ タンボ へ
 イソギマス。


七五調の文章がきれいですね。
しかも、何か続きがありそうな感じなのですが、これで全文です。

イラストも、あまり「じいさん」ぽくはないのですが、なんとも良い味出してます
つぶらな瞳がカワイイ!)

また、明治20年の『尋常小学読本』には、こんな文章が載っていました。

口は一つに、目は二つ。
 されば 多くを見て 知りて、
 益なき話 せぬぞよき。


口は一つに、手は二つ。
 されば 飲み 食ふことよりも、
 ニ倍 はたらけ、二倍 はたらけ。


う〜ん、体の部位の数から教訓を導き出すという、なかなかの名言です。
小学生に読ませるには、厳しすぎるような気もしないでもないですが……
(あと、ちょっと『口』がかわいそうです)
(一部、読みやすいように表記を改めています。)


この話の隣に載っている「ちんと猫」の話もなかなか味がありますので、時間があったら、見てみてください。
明治20年尋常小學讀本 小學校教科用書. 1-26.jpg
(『尋常小学読本』国立国会図書館蔵)

「算数」の教科書などもなかなか見ごたえ、読みごたえがあります。

大正12年に出された『女子教育算術教科書』には、
周囲215mなる『トラック』(競走場)に於て200、400、600、1000mの競争をなすに決勝線(※ゴールの線)を常に同一の場所に定めんとせば出発線(※スタート位置)を決勝線の前方それぞれ何mの所になすべきか。」といった問題が載っています。(※ )は、私の入れた「注」です。

面白いのは、そこに描かれた挿絵です。↓↓↓
大正12女子教育算術教科書.jpg
(『女子教育算術教科書』国立国会図書館蔵)

カマキリジイサンとは別の意味でゆるいです。
それに、当時の女学生は、制服でトラックを走っていたのでしょうか?
いろんな意味でアブナイ感じです。

また、大正13年に出された『算術補充問題』には……

金華山沖で船が荒波にもまれて59時間海上にゐました これは何日と何時でせう、
なんて問題が載っています。

結構な非常事態を例に出し、冷静に計算させているところになんともいえない趣がありますね。
大正13年算術補充問題尋常科第4学年24.jpg
(『算術補充問題』国立国会図書館蔵)

ところが、こんなのはほんの序の口です!

死んだ人の数を数えさせる恐ろしい文章題」
「盆踊りみたいな謎の体操
おもちゃを使った理科の勉強」などなど
まだまだ昔の教科書には、面白い記述がいっぱいあるのです。

ちょっとでも興味があったら、拙著『今じゃありえない!! 100年前のビックリ教科書』を書店等で見てみてください!


抱腹絶倒だったり、なんとも味があったり……いろいろな教科書を画像たっぷりで紹介しております!

最後は宣伝になってしまって、すいませんでした!



↓電子書籍などもあるようです。


posted by 福田智弘 at 13:02| Comment(0) | 歴史コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする